【G-Class Private Lounge】A Colourful Mixture: The Secret of the “G” Colours.

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「A Colourful Mixture: The Secret of the “G” Colours」と題された、メルセデスベンツのオリジナルコンテンツを紹介します。MY2022の新色のアナウンスに合わせて公開されたインタビュー記事です。


メルセデスベンツのプロダクトマネージャーであるJan-Hendrik Prilopは2010年からGクラスを担当しています。2018年にプロダクトマネジメントに異動してからはカラーラインナップの拡充(新色の開発)に関する責任者になっています。

過去10年以上、Jan-Hendrik Prilopは情熱を持って「自動車のペイント」というテーマに没頭しています。Gクラスのプロダクトマネジャーとして、彼の豊富な知識を活用し、Gクラスのカラーラインナップの拡充を担っています。

Gクラスでは、29色のG manufaktur カラーを含め、2022年6月中旬からは合計で40色の外装色が選択できる様になっていますね。これは驚くほど豊富なラインナップです。この理由を教えてください。

Jan-Hendrik Prilop: 豊富な外装色のラインナップはGクラスの伝統です。加えて、非常に多岐にわたるお客様がいらっしゃいます。例えば、何十年にも渡り同じカラーのGクラスをオーダーし続けているお客様から、我々ができる限りの魅力的なカラーを提案させていただきたい様な、新規にGクラスを購入するお客様まで多彩なお客様がいらっしゃいます。

我々は「一般的なGクラス」ではなく「その人に合ったGクラス」を提供したいのです。

どの様な判断基準によってGクラスのカラーを選択していますか?単に、他のメルセデスベンツモデルのカラーを採用しているのですか?あるいは、考慮されるべき何か特別な機能があるのでしょうか?

Jan-Hendrik Prilop: 選択のプロセスは広範な判断基準をベースにしています。先ほど述べた様に、私たちはいくつかのエキゾチックなカラーを含めたできるだけ多くの色の選択肢を提供したいと考えています。

シンプルなグレー、黒や白のさまざまな色合いだけでは退屈ですし、我々のお客さまの個性を具現化する事とはできません。もちろん、他のメルセデスベンツモデルの既存のカラーも採用します。しかしながら、考慮されなければならないテクノロジーの相違が存在します。我々のGクラスで使用するカラーパレットに採用する色を決めるためには、マーケットリサーチを行い、競合車を観察します。我々は自分自身に多くの疑問を問いかけます。「現在のカラーのトレンドはどうなっているのか?例えば、オンラインコミュニティではどうか?我々はGクラスをどのようなポジションに位置づけたいのか?スペシャルモデルはどうか?カラーレンジのどこにギャップがあるのか?」などです。

誰がどの色を採用するか判断しているのですか?プロダクトマネジメントですか?デザイナーですか?

Jan-Hendrik Prilop: 判断は合同で行われます。一般的には、プロダクトマネジメントが発案しマネジメントとデザイン部門と調整を行います。既にご説明した様に、徹底的なマーケットリサーチが先行して行われます。

全く新規の開発の場合は、デザイナーはペイント供給会社からの様なざまな混合をオーダーします。その後、ドアパネルの様な大きなボディパーツに塗装されます。なぜなら、その方が、平面状の鉄板や紙に塗装するよりも、鉄板のビーズやエッジが色彩の階調や影をより容易に把握できるからです。

スタジオでは、朝焼けからネオンの様な明るい白色まで、様々な色彩効果をシュミレートすることができます。そのスタジオにおいて、各パーツは最終決定者により検査され、うまく行けばペイントがそこで承認されます。

G manufactureのグリーンヘルマグノは、これまでのGクラスではあまり見かけない色彩です。名称だけで言えば、どちらかと言えばスポーツカーの名称に聞こえます。なぜGクラスに採用されたのですか?

Jan-Hendrik Prilop: なぜですって?Gクラスは深いジャングルを走破するのにふさわしい車です。したがって、「グリーンヘル」と呼ばれるグリーンは完璧にマッチしています。冗談はさておき、多くのお客様が、特にこのカラーは希望がありました。我々のカラーパレットには、マグノグリーンが存在しなかったため、Mercedes-AMG GT-Rに初めにキーカラーとして使用されたこのカラーをオファーしたのです。

現在、Gクラスで最も人気のある色は何色ですか?また、どの様に様々のカラーがディストリビューションされているのですか?

Jan-Hendrik Prilop: 多くの鮮やかな明るいカラーが選択可能である事を考慮すれば残念なのですが、古典的な色調が人気です。1番人気のあるのはオブシディアンブラックです。Gクラスには黒がとてもよく似合うと思います。2つの理由によりこの色が最も人気があると考えています。ヨーロッパではGクラスはリースカーとして購入されることが多いです。また、世界の他の市場では、「在庫車販売」形態で販売される市場比率が高いのです。

例えば、米国の場合、お客さまは購入したその日に購入した車を運転して帰りたいという方が多いのです。そうなると、販売店はショールームに人気のある色を展示することになります。

次に人気があるのは落ち着いた色調である、ポーラーホワイトです。ペイントのタイプで言えば、2021年にメタリックペイントは48.82%で最大で、次がプレインカラーの23.03%、マグノが19.69%、ブライトが8.42%です。(管理人:色の区分が日本と異なる可能性があります)

Kalaharigold
Opalite White

Gクラス向けのカラーは他のモデルよりも頑丈で長持ちするのですか?例えば、タフなオフロードでの使用に持ち堪えるために、クリアコートの化学的な配合が異なっていますか?

Jan-Hendrik Prilop: マグノペイントを除いて、Gクラスはスクラッチ傷の高い耐性があるクリアコートを使用しています。これは先代モデル同様です。そのため、お客さまには、スクラッチ傷の高い耐性と長く続く塗装の輝きというメリットをもたらします。

オフロードユースにふさわしいカラーはあるのですか?

Jan-Hendrik Prilop: ありません。カラーによる違いはありません。全てのカラーがメルセデスベンツの要求を満たしています。妥協はありません。

現在、Gクラスの塗装は何層の塗装処理がされていますか?自動車には何層必要なのでしょうか?

Jan-Hendrik Prilop: 簡単に言えば、4層の塗装処理がなされています。初めに、ボディ丸ごと、CDCコーティングと呼ばれる、カソードディップこーてジングのタンクに浸けられます。この工程で、どんなに小さい穴でも塗装されます。次にフィラーと呼ばれるベースコートが行われます。次は、ペイントの対応により最大10Lの塗料によるトップコートが行われます。最後がクリアラッカーです。opalite whiteの様なカラーには、さらに上層のレイヤー(パール層)が追加されます。

塗装作業は完全に自動で行われるのですか?それとも手作業が含まれていますか?

Jan-Hendrik Prilop: 外装部分の塗装は自動です。ドア外部、ドア内部、エンジンコンパートメントに関連する部分は手作業で塗装されています。透明度や塗料の粒子成分によって、ボディはペイントショップを何度か通ることもあります。

自分のGクラスの生産予定日の何日前までなら外装色を変更できますか?

Jan-Hendrik Prilop: アベイラビリティにより、全ての装備は最終的な発注の約8週間前までであれば変更可能です。これは外装色も同じです。(管理人:発注方法が日本と異なりますのでご注意ください

個人的に考える典型的なGクラスの色はありますか?もしあれば、その理由は?

Jan-Hendrik Prilop: 個人的にはビンテージブルーです。旅行者であるGunther HoltorfのGクラスのカラーです。親しみを込めて「Otto」と呼ばれた車両です

しかしながら、クラシックグレーも好きです。初期Gクラスの歴史とそのカラーに何より魅力を感じます。素直に40年前のGクラスのカラーが素敵だと考えるからです。またそれらは現代のモデルでも目を引くカラーです。

<Source : A Colourful Mixture: The Secret of the “G” Colours.


以下、ご参考まで。「The origin of the professional line」と題されたメルセデスベンツのコンテンツです。

【G-Class Strong Stories】The Origin of the Professional Line
今回は「The Origin of the Professional Line」と題されたコンテンツを紹介します。おそらく、Professional Lineの発売が近づいているので、その興味喚起目的でもあるのでしょう。
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